Grill Me
要件・計画・提案・アイデアを、1問ずつの容赦ないインタビューで詰めきり、最後にブリーフとして書き起こすスキルです。
API不要
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目次
1. 概要
依頼者の頭の中にある構想は、本人が思っているよりぼやけています。このスキルは、そのぼやけた部分をインタビューで洗い出します。1回につき1問、必ず推奨回答を添えて質問し、何を提案しようとしているのかについて認識が揃うまで続けます。揃ったら、その理解をブリーフとして書き起こします。
対象は文書ではなく会話です。要件、事業や製品の企画、プロジェクト計画、提案、粗いアイデアのいずれでもよく、事前に何かが書かれている必要はありません。
価値のほとんどは2つのルールから来ています。
1ターンに1問だけ聞く。 番号付きの質問を5つ並べると流し読みされ、浅い回答が返ってきます。スマートフォンなら特にそうです。選択肢付きの1問なら3秒で実際の判断が返り、その回答が次に聞くべき質問を作り変えます。
すべての質問に推奨回答を添える。 推奨のない質問は宿題です。推奨のある質問は、依頼者がその場で受け入れられる判断になります。しかも前提が表に出るので、違っていれば訂正してもらえます。
2. 利用シーン
- 「grill me」「grill this」「clarify」「詰めて」「詰めたい」「壁打ち」「要件を固めたい」「企画を練りたい」「計画を整理したい」「アイデアをぶつけたい」「突っ込んで」「質問して」「何が決まってないか教えて」と言われたとき
- 動き出す前に、自分の考えを叩いておきたいとき
- 計画やアイデアを漠然と説明して、次に何をすべきか尋ねられたとき
- 仕様書・提案書・資料をこれから書くが、材料が固まっていないとき
このスキルの対象外: 完成した文書のレビューは critical-document-reviewer を使ってください。質問ではなく答えが欲しい場面も対象外です。
3. 前提条件
- APIキーは不要です
- スクリプトや外部依存はありません。指示のみで構成されたスキルです
- 選択肢をタップできるツールがある環境で最も機能します。ない環境では、テキスト形式の質問にフォールバックします
4. クイックスタート
対象を説明して、詰めてほしいと伝えるだけです。
新しい社内ツールの企画を考えてる。詰めて。
Grill me on this project plan before I take it to the client.
すぐにインタビューが始まります。選択肢をタップしても、自由入力で答えても構いません。どの選択肢にも当てはまらない回答は、そのまま記録されます。
5. 進め方
対象を設計ツリーとして捉えます。根が目的で、あらゆる判断はそこからぶら下がる判断へ枝分かれします。開始時点ではツリーの大半が見えておらず、質問がそれを可視化していきます。
フロンティアとは、前提がすでに確定していて、まだ聞いていない回答を推測しなくても今すぐ聞ける判断のことです。フロンティア全体を洗い出したうえで、ツリーを最も大きく解きほぐす1問だけを聞き、そこで止まります。回答が返ったら再計算します。確定した判断が新しい質問を解禁し、消える枝があり、矛盾が浮かび上がります。
まだ開いている質問に答えが依存する質問は聞きません。自分で自分の質問に答えて先に進むこともしません。
事実と判断の切り分け
事実を調べるのはスキルの仕事、判断を下すのは依頼者の仕事です。市場規模、競合の動き、APIの対応可否、規制、価格といった調べられることは、質問せずに調べます。一方、要員数・予算・上司の発言など依頼者の世界の事実は、本人にしか出せないので聞きます。
チェックポイント
8〜10問を過ぎたあたり、または残るフロンティアが細部だけになった時点で、続けるか、ここまででまとめるかを確認します。どちらでも構いません。どこまで深掘りするかを依頼者が決められることが重要です。
6. ぼやけを探す観点
以下のパターンは、いずれも質問の種です。
| パターン | 例 | 引き出す質問 |
|---|---|---|
| 曖昧な数量表現 | 「適宜」「なるべく」「ある程度」 | 具体的な数値や閾値は |
| 曖昧なスコープ | 「など」「必要に応じて」 | 何が対象で何が対象外か |
| 未定義の成功 | 指標も受入基準もない | どうなったら成功と判断するか |
| 登場人物の欠落 | — | 誰がやり、誰が承認し、誰が払い、失敗したら誰が困るか |
| 制約の欠落 | — | 予算、期限、要員、ロックイン、コンプライアンス |
| 順序の未記述 | 「XとYをやる」 | それぞれの前に何が成立している必要があるか |
| 借り物の確信 | 「当然」「普通は」 | その根拠は何か |
質問の中で使う具体的な手法もあります。多義的な用語には正確な言い換えを提案する、会話の途中で用語の意味がずれたらその場で指摘する、誰も考えていないルールをあぶり出す具体的な境界事例を作る、議論されないまま決着済みとして扱われている前提を名指しする、といったものです。
references/lenses.md に、対象の種類ごとの質問の切り口をまとめています。要件、企画、計画、アイデア、提案の5種類です。セッション開始時にこれを読み、適切なレンズを選びます。
7. 成果物
認識が揃ったことを確認したら、references/output-format.md の形式に従ってブリーフを1つのMarkdownファイルとして生成します。
| セクション | 内容 |
|---|---|
| What we’re doing | 詰めきった要約 |
| Language | インタビュー中に定義を固めた用語集 |
| Decisions | 判断ログ。取り消しにくいもの、自明でないもの、実質的なトレードオフだったものに限る |
| Open items | 前提と、他者に確認が必要な事項 |
| Next step | 次にやること1つ |
判断の記録は最初の質問から取り続けます。セッションが長引いても取りこぼしが出ないようにするためです。「ここまでまとめて」と言えば途中でもブリーフを出せます。その場合は未決事項のセクションが明示されます。部分的なブリーフも正当なチェックポイントであり、会話が終わっても残ります。
8. リソース
参照ガイド:
skills/grill-me/references/lenses.md— 対象の種類ごとの質問の切り口skills/grill-me/references/output-format.md— ブリーフのテンプレート
9. クレジット
MITライセンスの grilling および domain-modeling スキル(作者 Matt Pocock)と、本リポジトリの commands/clarify.md をもとに構成したものです。grill-me というスキル名も上流に由来します。
上流の著作権表示とMITの許諾文は、スキルに同梱の skills/grill-me/NOTICE に収録しています。
10. 英語版ガイド
- 詳細は English version を参照してください。